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2026.10.1

在留カードの確認は企業の責任──就労資格の確認方法、読取アプリ・失効照会と更新期限の管理【2026年版】

制度・法律

内定を出した外国人エンジニアの入社手続きで、人事担当者が在留カードの写しを受け取る。おもて面に「技術・人文知識・国際業務」とあり、有効期限もまだ1年以上ある。これで確認は終わったと考え、書類を綴じる。半年後、本人から「在留期間の更新を申請中です」と連絡が来て、そこで初めて満了日を台帳に入れていなかったことに気づく。

別の現場では、派遣で受け入れたエンジニアについて、派遣先の担当者が「在留カードの確認は派遣元がやっているはず」と考えている。派遣元は確認していたが、満了日は派遣先に共有されていなかった。確認の中身と分担が決まっていないために、就労の可否を誰も継続的に見ていない。

在留カードの確認は、入社時に一度見れば終わる作業ではない。在留資格・在留期間・就労制限・資格外活動許可という4つの情報を読み、カードが本物で失効していないことを確かめ、満了日まで管理し続けて初めて意味を持つ。この記事では、外国人エンジニアを採用・派遣で受け入れる企業の人事担当者と技術部門長に向けて、在留カード確認の実務を整理します。

この記事の要点

  • 在留カードで見るのは、在留資格・在留期間(満了日)・就労制限の有無・資格外活動許可の4点である。おもて面だけでなく、うら面も必ず確認する。

  • 券面の目視だけでは偽変造を見抜けない。出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの情報を読み、「在留カード等番号失効情報照会」で失効していないかを確かめる。

  • 不法就労助長罪は、外国人を雇う事業主にも適用される。在留カードを確認していないなど過失がある場合、「知らなかった」ことを理由に処罰を免れることはできない。

  • 確認は入社時だけで終わらない。満了日を台帳で管理し、更新申請中の扱い(特例期間)と2026年10月1日の手数料改定を踏まえて段取りを組む。

  • 派遣で受け入れる場合、雇用主である派遣元が確認と届出を担う。派遣先は、確認済みであることと満了日の共有を契約上の取り決めにしておく。

在留カードの確認は、採用する企業側の責任である

在留カードの確認は、外国人を雇用する企業が自ら行うべき実務である。就労できない人を働かせた場合、責任を問われるのは本人だけではなく、雇用した企業側にも及ぶためだ。

出入国管理及び難民認定法(入管法)は、不法就労をさせた者、不法就労をさせるために外国人を自己の支配下に置いた者、不法就労のあっせんをした者を処罰の対象にしている(不法就労助長罪)。さらに、外国人を雇用する際に在留カードを確認していないなど、在留資格や就労制限を知らなかったことについて過失がある場合には、知らなかったことを理由として処罰を免れないと定められている。罰則の水準は改正が続いているため本記事では扱わないが、「確認していなかった」は免責の理由にならない、という構造を押さえておきたい。

不法就労には、大きく3つの類型がある。

類型

典型例

在留カードで分かること

不法滞在者が働く

在留期間を過ぎて滞在している人が働く

在留期間(満了日)と失効の有無

就労が認められていない人が働く

「留学」「家族滞在」の人が資格外活動許可なしに働く

就労制限の有無、資格外活動許可欄

認められた範囲を超えて働く

技術職の在留資格の人が製造ラインの単純作業に従事する

在留資格の種類と、実際の業務との照合

3つ目の類型は、エンジニアの採用でとくに注意が要る。在留カードに「技術・人文知識・国際業務」(技人国)とあっても、どんな仕事でもできるわけではない。この点は後の節で扱う。

券面で読む4つの情報

在留カードの確認は、おもて面とうら面の両方で行う。おもて面だけを見て判断すると、資格外活動許可や更新申請中の記載を見落とす。

確認項目

券面の位置

何を判断するか

在留資格

おもて面

就労系の資格か、身分系の資格か、就労が認められない資格か

就労制限の有無

おもて面

「就労制限なし」「在留資格に基づく就労活動のみ可」「指定書により指定された就労活動のみ可」「就労不可」のどれか

在留期間(満了日)

おもて面

満了日が過ぎていないか、入社後いつ更新が来るか

資格外活動許可

うら面

就労不可の資格の人が、許可の範囲内でアルバイト等をできるか

在留期間更新等許可申請欄

うら面

更新・変更の申請中かどうか

就労制限の欄は、在留カードの中でもっとも実務に直結する項目である。「就労制限なし」は永住者・日本人の配偶者等・定住者などの身分系の在留資格で、業務内容の制限を受けない。「在留資格に基づく就労活動のみ可」は技人国などの就労資格で、在留資格の範囲に収まる業務にしか就けない。

「指定書により指定された就労活動のみ可」と書かれている場合は、券面だけでは判断できない。高度専門職や特定活動の人は、パスポートに貼付された指定書に、就労できる活動や所属機関が記載されている。とくに高度専門職1号は指定書で勤務先が特定されるため、採用前に在留資格変更許可が必要になる。この扱いの違いは高度専門職ビザは半導体エンジニア採用にどう効くかで詳しく扱っている。

「就労不可」の場合でも、うら面の資格外活動許可欄に記載があれば、その範囲内でのアルバイト等は可能である。留学生の資格外活動許可は、原則として週28時間以内に限られる。ただし、フルタイムの技術職として採用する場合は、資格外活動許可では足りず、在留資格の変更許可が必要になる。

券面の目視だけでは足りない──読取アプリと失効照会

在留カードの偽変造は、券面を目で見るだけでは見抜けないことがある。出入国在留管理庁は、企業が真正性を確認するための仕組みを2つ用意している。

手段

何ができるか

使う場面

在留カード等読取アプリケーション

在留カードのICチップに記録された情報を読み取り、画面に表示する

本人と対面でカード原本を確認するとき

在留カード等番号失効情報照会

在留カード番号と有効期限を入力し、そのカードが失効していないかを確認する

原本確認に加え、失効の有無を確かめるとき

読取アプリケーションは出入国在留管理庁のウェブサイトで提供されており、ICチップに記録された顔写真や在留資格などの情報を表示できる。券面の文字や写真が差し替えられていれば、ここで食い違いが出る。

在留カードは、在留資格の取消しや新しいカードの交付などで失効する。見た目が正常でも失効している可能性はあるため、失効情報照会で番号の有効性を確かめる。

実務としては、次の順で行うと抜けが出にくい。第一に、本人と対面し、カード原本を手に取って確認する。コピーや写真の画像だけで判断しない。第二に、読取アプリケーションでICチップの情報を読み、券面と照合する。第三に、失効情報照会で番号の有効性を確かめる。第四に、確認した日時・担当者・結果を記録として残す。

オンライン面接が中心の採用でも、原本の確認は入社手続きの時点で対面で行う。

コピーの保管と個人情報の扱い

在留カードの写しは確認の証跡として保管してよいが、個人情報を多く含むため、扱いのルールを先に決めておく必要がある。

押さえておきたい点は3つある。第一に、写しを取る目的を本人に伝えておくこと。就労資格の確認と在留期間の管理という目的を、入社手続きの案内の中で明示しておく。第二に、保管場所とアクセスできる担当者を限定すること。人事の中でも、在留期間の管理を担う担当者に絞るのが望ましい。第三に、更新や変更で新しいカードが交付されたら、新しい写しに差し替えること。古い写しだけが残っていると、満了日の管理が誤った日付のまま続いてしまう。

写しとあわせて、確認日・確認者・確認方法(原本、読取アプリケーション、失効情報照会)・満了日・配属予定の業務を記録しておくと、後から確認の経緯を説明しやすい。

採用時には、あわせて外国人雇用状況の届出をハローワークに行う。これは労働施策総合推進法に基づく事業主の義務で、雇入れ時と離職時に、氏名・在留資格・在留期間などを届け出る。届出を怠った場合も罰則の対象になる。在留カードの確認は、この届出を正確に行うための前提でもある。

在留期間の満了日は、台帳で管理し続ける

在留カードの確認は、入社後も続く。在留期間の満了日を過ぎて働かせれば、入社時に確認していても不法就労になるためである。

更新の段取りは、満了日から逆算して組む。在留期間の更新許可申請は、在留期間が6か月以上ある人であれば、満了日のおおむね3か月前から申請できる。満了日までに申請していれば、審査の結果が出るまでの間、満了日から最長2か月は引き続き適法に在留できる(いわゆる特例期間)。この間はうら面の申請欄に申請中である旨が記載される。

時期

企業側の実務

入社時

満了日を台帳に登録し、本人にも更新の時期を伝える

満了日の約3か月前

本人に更新申請の準備を促し、会社が用意する書類(在職証明書など)を確認する

満了日まで

本人が申請したことを確認し、申請中の記載があるカードで状況を確認する

許可後

新しい在留カードの原本を確認し、写しと台帳の満了日を差し替える

更新の審査では納税の状況も見られるため、給与計算の担当者とも連携しておく。税の実務は外国人社員の住民税と年末調整で整理している。

また、2026年10月1日から、在留期間の更新許可や在留資格の変更許可の手数料が、許可される在留期間に応じた額に改定される。会社が手数料を負担する運用の場合は、費用の見込みが変わる。制度の詳細はすでに日本にいる外国人エンジニアを中途採用するで扱っている。

業務内容と在留資格の照合を、配属の前に行う

在留カードの確認で見落とされやすいのは、券面の在留資格と、実際に担当させる業務との照合である。在留資格の範囲を超えた業務に就かせれば、カードが有効であっても不法就労になり得る。

半導体の現場では、技術職として受け入れた人を、繁忙期にライン作業の応援に回すといった運用が起こりやすい。技人国で認められるのは、設計・プロセス・装置・解析などの技術業務であり、製造ラインのオペレーターなどの単純作業を主な業務にすることはできない。配属後に業務が変わる場合も、在留資格の範囲に収まるかを確認する。

業務の例

技人国の範囲

確認のポイント

プロセス条件の設計・評価

範囲内

専攻や実務経験との関連を説明できるか

装置の立ち上げ・保全の技術対応

範囲内

技術的な判断を伴う業務が中心か

不良解析・データ解析

範囲内

解析手法の専門性が求められるか

製造ラインでの定型作業が中心

範囲外

主な業務が単純作業になっていないか

業務内容は雇用契約書や派遣契約に具体的に書いておく。更新申請の際の説明資料にもなる。求人段階での業務の書き方は半導体エンジニア求人票の書き方も参考になる。

2026年4月15日施行の技人国の取扱い変更についても触れておく。所属機関がカテゴリー3・4に該当し、主に言語能力を用いる対人業務等に従事する場合には、CEFR B2相当の言語能力を証する資料が求められるようになった。技人国の全員に日本語能力試験N2が必須になったわけではないが、配属予定の業務がこれに当たるかは、確認の対象に加えておきたい。詳細は技人国の2026年改正で扱っている。

在留資格の変更が必要な人を見分ける

在留カードを確認した結果、そのままでは採用できず、在留資格の変更許可が必要だと分かる場合がある。変更許可には審査期間がかかるため、入社日の設計に直結する。

現在の在留資格

技術職として採用するには

着任までの見込み

技術・人文知識・国際業務(同種業務)

変更不要。本人が14日以内に所属機関等に関する届出

現職の退職手続きに従う

高度専門職1号

転職前に在留資格変更許可

東京出入国在留管理局では1.5か月〜が目安

留学

技人国等への在留資格変更許可

卒業と入社の間に審査期間を取る

研究・文化活動(大学・研究機関のポスドク等)

技人国等への在留資格変更許可

審査期間を入社日に織り込む

家族滞在

技人国等への在留資格変更許可(資格外活動許可だけではフルタイム不可)

審査期間を入社日に織り込む

大学や研究機関から移る研究者は、在留資格が「研究」や「文化活動」であることが多く、変更許可が必要になるため、在留カードの確認を選考の早い段階で行う。研究者採用の論点は研究者を企業のエンジニアとして採用するで整理している。

なお、技人国の人が同種の業務へ転職する場合、就労資格証明書の交付を受けることもできる。ただし、入管法第19条の2第2項により、就労資格証明書を提示しないことを理由に不利益な取扱いをすることは禁じられているため、提出を入社の条件にはできない。

派遣で受け入れる場合の分担

派遣で外国人エンジニアを受け入れる場合、在留カードの確認と外国人雇用状況の届出は、雇用主である派遣元が行う。派遣先が本人を雇用しているわけではないためである。

ただし、派遣先も無関係ではない。就労できない人を受け入れて働かせていれば、派遣先の側でも問題になり得る。実務では、派遣元が確認した内容のうち、派遣先の管理に必要な範囲を共有する取り決めを置いておくのが確実である。

項目

派遣元

派遣先

在留カード原本の確認

行う(読取アプリ・失効照会を含む)

確認済みであることの報告を受ける

外国人雇用状況の届出

行う(雇用主として)

行わない

満了日の管理

台帳で管理し、更新を段取りする

満了日の共有を受け、契約期間と照合する

業務内容の照合

派遣契約の業務内容と在留資格の範囲を確認

実際の指揮命令の内容が契約の範囲から外れないようにする

在留諸申請の書類

派遣元用の誓約書などを用意

派遣先用の誓約書、活動内容を示す資料に協力

派遣先が気をつけたいのは、契約にない業務を現場の判断で任せてしまうことである。業務が変わると、派遣法上の問題と在留資格上の問題が同時に生じ得る。

弊社の派遣はすべて客先の拠点に常駐するオンサイトの形で、在留カードの原本確認に加えて、第三者機関によるバックグラウンドチェックを提案前に実施する運用も行っております。派遣期間の制限と契約の組み方は外国人エンジニア派遣の期間制限で扱っている。

よくある質問

Q. 在留カードのコピーをメールで受け取れば、確認したことになりますか

コピーや画像だけでは、確認として不十分です。券面の偽変造は画像では見抜けないため、入社手続きの時点で本人と対面し、カード原本を確認してください。あわせて出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリケーションでICチップの情報を読み取り、在留カード等番号失効情報照会で失効していないことを確かめると確実です。選考段階で画像を受け取るのは目安としては有用ですが、最終確認の代わりにはなりません。

Q. 就労制限の欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」とある場合はどうすればよいですか

パスポートに貼付された指定書を確認してください。高度専門職や特定活動の在留資格では、就労できる活動や所属機関が指定書に記載されています。高度専門職1号は指定書で勤務先が特定されるため、転職して御社で働くには、入社前に在留資格変更許可を受ける必要があります。東京出入国在留管理局では1.5か月程度からが目安のため、入社日の設計に織り込んでください。

Q. 在留期間の満了日が過ぎていても、更新申請中なら働いてもらってよいですか

満了日までに更新申請をしていれば、審査の結果が出るまでの間、満了日から最長2か月は引き続き適法に在留できます。この場合、在留カードのうら面に申請中である旨が記載されるため、その記載を確認してください。満了日を過ぎてから申請した場合はこの扱いを受けられません。入社時に満了日を台帳に登録し、約3か月前から準備を促す運用にしておくと安全です。

Q. 派遣で受け入れる場合、派遣先も在留カードを確認する必要がありますか

在留カードの確認と外国人雇用状況の届出は、雇用主である派遣元が行います。ただし、就労できない人を受け入れて働かせていれば派遣先の側でも問題になり得るため、派遣元が確認済みであることの報告と、在留期間の満了日の共有を受ける取り決めを契約上置いておくことをおすすめいたします。あわせて、派遣契約にない業務を現場の判断で任せないよう管理してください。

Q. 技人国の人なら、どの業務にも就いてもらえますか

就いてもらえるのは、在留資格の範囲に収まる業務に限られます。技人国で認められるのは、設計・プロセス・装置・解析といった専門的な技術業務です。製造ラインのオペレーターなどの単純作業を主な業務にすることはできません。繁忙期の応援などで業務が変わる場合も、範囲に収まるかを確認し、雇用契約書や派遣契約の業務内容の欄を実態に合わせてください。

Q. 家族滞在の配偶者を技術職で採用できますか

資格外活動許可の範囲(原則週28時間以内)であれば働くことができますが、フルタイムの技術職として採用するには、技人国などへの在留資格変更許可が必要です。本人の学歴や実務経験が業務と関連しているかが審査されます。変更許可の審査期間を入社日に織り込み、許可を受けるまではフルタイムで働いてもらわないよう注意してください。

Q. 退職したときにも手続きはありますか

あります。企業は外国人雇用状況の届出として、離職時にもハローワークへ届け出ます。本人は、所属機関等に関する届出を14日以内に出入国在留管理庁へ行います。保管している在留カードの写しは、社内規程に沿って適切に廃棄してください。

まとめ

  • 在留カードで読むのは、在留資格・在留期間・就労制限の有無・資格外活動許可の4点で、うら面の申請欄も含めて確認する。

  • 券面の目視だけでは足りない。在留カード等読取アプリケーションでICチップを読み、在留カード等番号失効情報照会で失効の有無を確かめる。

  • 在留カードを確認していないなど過失がある場合、知らなかったことを理由に不法就労助長罪の処罰を免れない。確認は企業側の責任である。

  • 満了日は台帳で管理し続ける。更新はおおむね3か月前から申請でき、満了日までに申請すれば特例期間の扱いを受けられる。

  • 在留資格と実際の業務の照合を配属前に行う。技人国でも製造ラインの単純作業は対象外である。

  • 派遣では派遣元が確認と届出を担い、派遣先は確認済みの報告と満了日の共有を契約で取り決めておく。

淡路グローバルゲートウェイ(AGG)では、日本在住で就労可能な在留資格を持つ外国人エンジニアのご紹介と派遣をお引き受けしております。在留カードの原本確認や在留期間の管理、更新の段取りまで含めて受け入れ体制づくりをご支援しておりますので、無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。

監修者

Naoya Mitani /淡路グローバルゲートウェイ(AGG) 事業統括責任者

インドITエンジニアの可能性に着目し、AGGのIT人財部を設立しました。事業統括責任者として、エンジニア派遣事業の戦略立案と実行を担っています。

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