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2026.9.9

監理団体・登録支援機関・人材紹介・派遣──外国人材の受け入れで、どの相手と組むか【2026年版】

制度・法律

外国人材の受け入れを検討し始めると、複数の会社から提案が来る。ある会社は「組合に加入していただければ受け入れられます」と言い、別の会社は「登録支援機関としてすべて代行します」と言い、また別の会社は「紹介手数料は年収の何%です」と言う。どれも間違ってはいないが、比べようとすると比べられない。前提にしている制度も、許可の根拠も、費用の出方も違うからである。

この混乱は、外国人材の「受け入れ支援」を名乗る事業者が、法律上は4つの別々の枠組みで動いていることに由来する。監理団体、登録支援機関、有料職業紹介事業者、労働者派遣事業者。それぞれ根拠法が違い、できることが違い、報酬の受け取り方が違う。1社が複数を兼ねていることも多いため、社名や提案書からは見分けがつかない。

そして2027年4月には育成就労制度が施行され、技能実習の監理団体は監理支援機関へ移行する。許可の申請はすでに始まっている。この記事では、4つの類型を許可の根拠から並べ直し、建設業で受け入れを進める場合に、どの相手と何の契約を結ぶことになるのかを整理します。

この記事の要点

  • 受け入れ支援の事業者は、監理団体(2027年4月から監理支援機関)、登録支援機関、有料職業紹介事業者、労働者派遣事業者の4類型に分かれる。根拠法も許可も別である。

  • 監理支援機関の許可申請は令和8年4月15日から、育成就労計画の認定申請は令和8年9月1日から受付が始まっている。制度の施行は令和9年4月1日。

  • 登録支援機関は特定技能1号の支援を担う。支援計画の全部を実施できることが要件で、一部だけを行う登録は認められていない。

  • 登録支援機関であることは、職業紹介や労働者派遣を行える根拠にはならない。それぞれ別の許可が要る。

  • 1社が複数の類型を兼ねていることが多い。提案を比べるときは、社名ではなく「どの契約で、何の対価を払うのか」で分解する。

「支援会社」は4種類ある──まず許可の根拠で分ける

外国人材の受け入れに関わる事業者は、許可・登録の根拠で4つに分かれる。同じ「支援」という言葉を使っていても、法的にできることが違う。

類型

根拠

対応する制度

主な役割

監理団体

技能実習法(許可制)

技能実習

実習実施者の監理、訪問指導、監査

監理支援機関

育成就労(2027年4月〜、許可制)

育成就労

育成就労実施者の監理支援、職業紹介

登録支援機関

入管法(登録制)

特定技能1号

支援計画に基づく義務的支援10項目の実施

有料職業紹介事業者

職業安定法(厚生労働大臣の許可)

制度を問わない

求人と求職の結び付け

労働者派遣事業者

労働者派遣法(厚生労働大臣の許可)

制度を問わない

自社で雇用した労働者の派遣

上の2つは制度に紐づいた枠組みで、下の2つは制度を問わず人の入口を作る枠組みである。この違いを押さえると、提案書の比較ができるようになる。

受け入れる制度そのものの選び方は外国人建設人材の受け入れ費用はいくらかで総額から比較している。本記事は、制度を決めたあとに誰と契約するかに絞る。

監理団体は監理支援機関へ変わる──前倒しの申請はすでに始まっている

育成就労制度は令和9年4月1日に施行され、技能実習の監理団体は監理支援機関へ移行する。移行は自動ではなく、あらためて許可を受ける必要がある。

出入国在留管理庁の育成就労制度Q&Aによると、スケジュールと要件は次のとおりである。

項目

内容

施行日

令和9年4月1日

監理支援機関の許可申請

令和8年4月15日から受付

育成就労計画の認定申請

令和8年9月1日から受付

許可要件(外部監査)

外部監査人を設置していること

許可要件(規模)

監理支援を行う受入れ機関の数が原則として2者以上であること

許可要件(体制)

役職員数が、監理支援を行う育成就労実施者の数を8で割って得た数以上

受け入れる企業側から見ると、いま組んでいる監理団体が監理支援機関の許可を取れるかどうかが、2027年4月以降の受け入れの継続性を左右する。とくに小規模な団体では、役職員数の要件と外部監査人の設置が実務上の壁になる。

確認しておくべきことは3つある。監理支援機関の許可申請を出す予定があるか。役職員数の要件を満たす見込みか。外部監査人を誰にする予定か。この3つに具体的に答えられない団体とは、2027年以降の計画を立てられない。

育成就労で建設の受け入れがどう変わるかは育成就労で建設の受け入れはどう変わるかで扱っている。

登録支援機関は「支援計画の全部」を担う相手である

登録支援機関は、特定技能1号外国人に対する支援計画の全部を実施できることが登録の要件になっている。出入国在留管理庁は、支援の一部のみを行うものとして登録を受けることはできないとしている。

義務的支援は10項目である。

番号

支援項目

1

事前ガイダンス

2

出入国する際の送迎

3

住居確保・生活に必要な契約支援

4

生活オリエンテーション

5

公的手続等への同行

6

日本語学習の機会の提供

7

相談・苦情への対応

8

日本人との交流促進

9

転職支援(人員整理等の場合)

10

定期的な面談・行政機関への通報

受け入れ企業にとって重要なのは、支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託した場合、受入れ機関が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされる点である。自社に支援体制を持たない企業でも、委託によって受け入れが成立する。

登録の有効期間は5年で、更新を受けなければ効力を失う。更新申請は、有効期間満了日の6か月前の月の初日から4か月前の月の月末までに行うこととされている。契約先の登録がいつまで有効かは、契約前に確認しておく。

特定技能「建設」に固有の追加要件は特定技能「建設」の受け入れ、何から手をつけるかで整理している。

職業紹介と派遣は、支援機関とは別の許可である

登録支援機関であることは、職業紹介や労働者派遣を行える根拠にはならない。人を紹介する行為には職業安定法上の許可が、自社で雇用した労働者を派遣する行為には労働者派遣法上の許可が、それぞれ別に必要である。

一方、育成就労の監理支援機関は、育成就労に係る職業紹介を行うことができる枠組みになっている。技能実習の監理団体が無料職業紹介事業の届出を前提としていたのと同様、制度の中に紹介の機能が組み込まれている。

この違いは、費用の説明を受けるときに効いてくる。

行為

必要な許可・登録

対価の名目

特定技能の支援業務

登録支援機関の登録

支援委託費(月額が一般的)

人材の紹介

有料職業紹介事業の許可

紹介手数料(成功報酬が一般的)

労働者の派遣

労働者派遣事業の許可

派遣料金(時間あたり・月額)

育成就労の監理支援

監理支援機関の許可

監理支援費(月額が一般的)

「支援費に紹介も含まれています」という説明を受けたら、紹介事業の許可番号を確認する。許可を持たずに紹介の対価を受け取ることはできない。

なお建設業では、労働者派遣法が「建設業務」への派遣を禁じている。派遣で受け入れられるのは施工管理・設計・BIMなどの技術系業務に限られる。範囲は「建設業に派遣は使えない」は本当かで整理している。

1社が複数を兼ねている、という前提で読む

実務では、1つの法人または同一グループが、監理団体・登録支援機関・有料職業紹介・労働者派遣の複数を兼ねていることが多い。これ自体は適法であり、窓口が1つで済む利点もある。

ただし提案を比較するときは、社名ではなく契約単位に分解する必要がある。同じ「初期費用50万円」でも、内訳が紹介手数料なのか、支援委託費の前払いなのか、教育費なのかで、途中で解約したときの扱いがまったく違う。

分解して確認する項目は次の4つである。

第一に、何の契約を何本結ぶのか。第二に、それぞれの対価はいくらで、いつ発生するのか。第三に、途中で人が辞めた場合、どの費用が返ってくるのか。第四に、契約の相手方となる法人はどれか。グループ内の別法人と結ぶ契約が混ざっていることがある。

費用の出方が4類型で違う

同じ1人を受け入れる場合でも、類型によって費用の出方の形が違う。総額だけでなく、変動費か固定費か、いつ発生するかを見る。

類型

主な費用

発生の仕方

途中解約時

監理団体・監理支援機関

監理費(月額)、入国前後の費用

在籍中は継続

在籍しなくなれば止まる

登録支援機関

支援委託費(月額)

在籍中は継続

在籍しなくなれば止まる

有料職業紹介

紹介手数料

入社時に一括

返戻規定によるが、期間経過後は戻らない

労働者派遣

派遣料金

稼働に応じて発生

契約期間の定めに従って終了できる

紹介は一括で先に出るぶん、定着しなかった場合の損失が大きい。派遣は単価が高く見えるが、稼働に連動するため、案件量が読めない段階では総額の予測が立てやすい。

なお労働者派遣では、派遣元事業主にマージン率等の情報提供義務がある。労働者派遣法第23条第5項に基づくもので、令和3年4月1日から、法的義務があるすべての情報について原則としてインターネットで常時提供することとされている。厚生労働省の人材サービス総合サイトでも確認できる。契約前に、その派遣元のマージン率を自分で調べられるということである。

選定でつぶしておく質問

契約前の面談では、次の質問に具体的な数字と固有名詞で答えられるかどうかを見る。答えが抽象的なままの相手は、受け入れが始まってからも抽象的である。

領域

質問

許可・登録

保有している許可・登録の番号と有効期限は。更新の予定は

育成就労

監理支援機関の許可申請を出す予定はあるか。役職員数と外部監査人の見込みは

実績

建設分野での受け入れ実績は何名か。うち定着している人数は

体制

担当者1人あたりの受け入れ人数は。母国語で対応できる職員は何名か

支援の中身

定期面談は誰がどこで行うか。記録はどう共有されるか

送出し

送出機関はどこか。手数料は本人からいくら取っているか

費用

契約は何本か。それぞれの対価と発生時期は。人が辞めたらどうなるか

緊急時

夜間・休日の連絡体制は。労災が起きたときの動き方は

とくに送出機関に関する質問は、抜けやすいわりに影響が大きい。本人が母国で過大な手数料を負担している場合、失踪や早期離職の要因になる。受け入れる側からは見えにくい部分であるため、明示的に聞く。

建設分野に固有の追加論点

建設業では、他分野にない追加の手続きが受け入れの前提になる。契約先がこれらを実務として回せるかを確認する。

第一に、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録である。事業者登録と技能者登録の両方が求められる場面があり、期限も定められている。要否と手続きはCCUS(建設キャリアアップシステム)と外国人材で整理している。

第二に、建設特定技能受入計画の認定である。特定技能「建設」では、受け入れ前に国土交通大臣の認定を受ける必要があり、書類の作成に時間がかかる。

第三に、現場の安全衛生教育である。母国語での実施や理解度の確認をどこまで支援機関が担うのか、自社で行うのかを、契約の段階で決めておく。

これらを「受け入れが決まってから考える」設計にすると、着任予定日が動く。契約前の面談で、誰がどこまでやるかを一覧にしておくのが確実である。

よくある質問

Q. 監理団体と登録支援機関の一番の違いは何ですか

対応する制度と、担う機能が違います。監理団体は技能実習の枠組みで実習実施者を監理する立場で、2027年4月からは育成就労の監理支援機関へ移行します。登録支援機関は特定技能1号の外国人に対する支援計画を実施する立場です。監理には監査や指導といった管理的な機能が含まれますが、登録支援機関は支援の実施が中心になります。

Q. 登録支援機関に支援の一部だけを委託できますか

登録支援機関の側が一部のみを行うものとして登録を受けることはできません。出入国在留管理庁は、登録支援機関は支援計画の全部を実施できる必要があるとしています。なお受入れ機関が支援計画の全部の実施を委託した場合には、受入れ機関が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。自社で一部を担う設計にする場合は、体制の基準を自社で満たす必要が出てきます。

Q. いま契約している監理団体は2027年4月以降も使えますか

あらためて監理支援機関の許可を受ける必要があります。許可申請の受付は令和8年4月15日から始まっています。許可要件には、外部監査人を設置していること、監理支援を行う受入れ機関の数が原則として2者以上であること、役職員数が監理支援を行う育成就労実施者の数を8で割って得た数以上であることが含まれます。申請の予定と見込みを、いまのうちに確認してください。

Q. 登録支援機関が人材の紹介もしてくれると言われました

紹介を行うには、職業安定法上の職業紹介事業の許可が別に必要です。登録支援機関としての登録は、その根拠にはなりません。許可番号を確認してください。1社が両方を持っていること自体は一般的で、問題はありません。確認すべきなのは、許可を持っているかどうかと、支援委託費と紹介手数料がそれぞれいくらかという点です。

Q. 派遣会社のマージン率は事前に分かりますか

分かります。労働者派遣法第23条第5項により、派遣元事業主にはマージン率等の情報提供義務があり、令和3年4月1日から、法的義務があるすべての情報を原則としてインターネットで常時提供することとされています。自社のホームページのほか、厚生労働省の人材サービス総合サイトでも確認できます。提案を受ける前に調べておくと、単価の議論の前提がそろいます。

Q. 建設業で派遣を使える範囲はどこまでですか

労働者派遣法が禁じているのは、土木・建築等の工事の作業に直接従事する「建設業務」です。施工管理、設計、BIMなどの技術系業務は禁止の対象外であり、派遣で受け入れられます。一方、特定技能「建設」と育成就労は直接雇用が前提であり、派遣は使えません。制度と業務の組み合わせで可否が決まるため、自社の職務を先に仕分けてください。

Q. 費用はどの類型がいちばん安いのですか

受け入れ期間と定着率によって逆転します。紹介は入社時に一括で発生するため、長く定着すれば1人あたりの費用は下がりますが、早期に離職すると回収できません。派遣と支援委託は月額で継続するため、長期になるほど総額は増えますが、案件量が変動する場合は調整できます。何年在籍する前提かを決めてから比べてください。

Q. 送出機関について何を聞けばよいですか

どこの国のどの機関か、本人から手数料をいくら取っているか、日本語教育をどこまで行っているかの3点です。本人が母国で過大な手数料を負担していると、来日後の生活が圧迫され、早期離職や失踪の要因になります。受け入れる側からは見えにくい部分なので、契約前に明示的に確認してください。答えられない相手は避けるのが安全です。

まとめ

  • 受け入れ支援の事業者は、監理団体(2027年4月から監理支援機関)、登録支援機関、有料職業紹介事業者、労働者派遣事業者の4類型に分かれる。許可の根拠が違えば、できることも違う。

  • 監理支援機関の許可申請は令和8年4月15日から、育成就労計画の認定申請は令和8年9月1日から受付が始まっている。施行は令和9年4月1日。

  • 登録支援機関は支援計画の全部を実施できることが要件で、全部委託により受入れ機関の支援体制の基準を満たしたものとみなされる。登録は5年で更新が要る。

  • 登録支援機関であることは、職業紹介や派遣を行える根拠にはならない。許可番号を確認する。

  • 1社が複数を兼ねているのが普通である。社名ではなく「契約は何本で、対価はそれぞれ何か」に分解して比べる。

  • 建設分野ではCCUS登録、建設特定技能受入計画の認定、母国語での安全衛生教育が前提になる。誰がどこまでやるかを契約前に一覧にする。

淡路グローバルゲートウェイ(AGG)は登録支援機関として特定技能の受け入れ支援を行い、あわせて技人国での施工管理・設計・BIM技術者のご紹介と派遣も行っています。どの制度をどの契約形態で使うべきかの整理からご相談いただけますので、無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。

監修者

Naoya Mitani /淡路グローバルゲートウェイ(AGG) 事業統括責任者

インドITエンジニアの可能性に着目し、AGGのIT人財部を設立しました。事業統括責任者として、エンジニア派遣事業の戦略立案と実行を担っています。

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